創業融資では創業計画書を作って、
創業の申込みをして終わりではありません。
事業計画書をもとにした金融機関との面談がこの後にあります。
面談の心構え
創業融資を申請する多くの方が、
金融機関との面談が初めての体験だと思われます。
面談ではどうしても緊張してしまう起業家も少なくありません。
当たり前のことですが、堂々と自信をもって
創業計画をプレゼンすることが重要です。
そのためにはしっかりとした準備が必要になります。
可能な限り事業プランを詰めていれば、
「何を質問されても問題ない、大丈夫!」
という自信を持つことができます。
次にいくつか面談に挑む際の心構えをお伝えします。
(1)身なりをきちんとする
特に若い経営者の方に多いのですが、経営者になろうとしているのですから、
身なりに気を遣わなければいけません。
また、言葉遣いにも問題がありそうな若い起業家の方も注意してください。
服装はスーツを着ることをオススメします。
最も無難ですし、会社員を長年勤めてきたからなら
スーツが最も落ち着くと思います。
(2)余計なことは一切言わない
質問されていないことは喋らないほうが賢明です。
特にマイナス情報については肝に銘じておいてください。
担当者からの質問に対しても、基本的には前向きにすべて答えましょう。
現時点では、マイナスな結果しか答えようがないことであっても、
現状はこうだけど、ここが問題だからそれを解決することで
問題は改善・解決できるという前向きな話をします。
(3)ウソはつかない
面談の際、ウソをついてはいけません。
極論、簡単にバレてしまうようなウソなら、
事実を説明したほうがいいです。
しかし、質問されていないことについては、
あえてしゃべらないほうがいい場合があります。
面談で聞かれる内容
1創業動機・目的について
創業者としての、熱い想いと、前向きな理由をお話しましょう!
後ろ向きな話はやめましょう。
面談担当者は計画だけでなく、「やる気」も見ています。
2代表者の略歴
創業ビジネスに活かせる経験を豊富にしていることを、
過去の経験からしっかりと伝えるようにしてください。
履歴書的な形式ばった回答はせず、どこに勤めてきて、どんな成果を上げて、
それが今回の起業にとってどのようにプラスになっているかを説明します。
創業期は実績がない分、代表者の過去の経験も評価対象となります。
3ビジネスモデル
ダラダラと長く回答せず、30秒か1分くらいで説明できる
ビジネスモデルへと磨いておきます。
4市場環境
自身の携わる業界の現状の環境、競合、
将来見通しなどを聞かれる可能性があります!
仮に、市場環境は一般的に悪いといわれていても、
まだニッチの市場がある、現状、どこどこに問題があるため、
入っていく余地があることなどを指摘してください
(問題をしっかりと分析する必要があります)
そのため、現状の市場環境の分析は
しっかりとしておいたほうが良いと思います。
特に、環境、競合を分析することは、自社の強み、
差別化を知るきっかけになります。
5売上の見通し
計画書の内容に沿って説明できるようにしてください。
計画書との整合性を意識してください。
数字の根拠は必ず答えられるようにしておきましょう。
特に客単価、回転数、営業日数など基本的な数字を押さえておきます。
また、過去に経験のあるビジネスで創業する方については、
過去の実績を参考にした数字ですと言ってください。
そうすることで数字としての客観性が増します。
6営業方法
計画書の内容に沿って説明できるようにしてください。
実績がない中、売上が立つことをリアルにイメージさせるためには、
営業(販促)方法を明確に具体的に伝えることが重要です。
いつ、誰に、どのように営業をかけるのかがしっかりと伝われば、
面談担当者も「たしかに収支計画表上の売上はいけそうだな」
と考えてくれるでしょう。
7事業がうまくいかなかった時の展開
うまくいかない想定をされたとしても、
前向きな回答をしましょう!
2期目、3期目くらいまでは、
考えておいたほうが良いと思います。
話す内容としては、数字的に現実的な話をしてください。
今後の市場の環境とリンクして話すことができればよりよいと思います。
9資金の使い道
なぜ、資金が必要なのかを聞かれます。
設備資金、運転資金として、それぞれ何に使うのかを
明確に説明できるようにしておきます。
そのためにも見積書や仮契約書を準備して持参します。
この設備は中古ではダメなのか?リースではダメなのか?
など。返済の目処が立っていても資金の使い道が明確でないと
融資を受けるのは厳しくなります。
10自己資金の貯め方
自己資金の認定は創業融資の中でも最も重要な部分です。
そのため、見せ金になる行為はやめましょう(通帳もさかのぼってチェックされます)!給料からコツコツと自分で貯めた資金の場合、それを説明します。
もらったのか、借りたのかをあいまいにしてはいけません。
11借入希望額
借入希望額は多く言っておけばいいというものではありません。
全体から見た必要金額、適正金額を計算し、それをズバリ希望することです。
内装工事をいつまでにしたい、仕入れ資金がいつまでに必要など
借入希望時期もできる範囲で主張します。
12申請額が減額された場合はどうですか?との質問について
減額の場合でも、ここの予算を削れるとか
具体的に削られても問題ないということを説明して
「減額は大丈夫です」と回答するのが望ましいと思います。
何も考えずに「減額でもOKです」というのは、
いくらでもよいのかなどの印象を与えかねません。
以上日本政策金融公庫で融資面接時には
上記ポイントに注意し面談を受けて下さい。